観たり、聴いたり、思ったり
【演奏会】平家物語の世界その6壇浦の悲劇ー見るべきほどのことは見つー(2022/9/9)

年に一度、だいたいこの時期に行われる、「平家物語の世界」公演。今年は第6回でした。

私は第1回からお手伝いをしていますが、最初は受付だけでしたが、最近は舞台進行もしています。

今年は『平家物語』が来ている?初めてのお客さんが多かった!

発売開始から売れ行きはまぁまぁでしたが、
ある時期からぱたりと売れ行きがのびず、「目論見が外れたかな」と思いましたが、
結局は8月末からぎりぎりの期間まで、売れ続け、満席にはできなかったものの、
かなりの反響がありました。特にSNSでの反響と、昔は「〇〇新聞に載っても意味がない」と言われていた
某新聞の記事がそこそこ反響があり、最後の最後で、いい具合にチケットがはけ、
当日券分は残すことができる、というとてもうまい具合にいきました。

今年はアニメ『平家物語』や、映画『犬王』や、NHKでは人形劇『平家物語』の再放送。そして大河ドラマは源平の時代から始まるので、タイミングが良かったのかもしれません。

演奏がどんどんうまくなる3人

第1回から聴いているし、普段やっているジャンル(地歌、箏曲)も聴いたことがある人達なので、
実力があるのは知っていますが、平家語りとしては、やはり最初のころは「楽譜通り」「きっちりしっかり」
でしかなかったように思いますが、
前回(去年)くらいから、すごく情感がこもって、聴いていて涙が出てしまったりすることがあるくらいになってきました。

そうなってくると、舞台進行担当としては欲が出てきますね。
またチラシの制作からプログラムの制作までもいろいろわがままを言って、イメージ通りのものを作ってもらいました。

舞台も美しくできたと思います。(自画自賛)

写真はリハのもの。本番の様子などはまたホームページにあがると思いますので、
平家語り研究会のページをどうぞ。

 

【舞踊会】尾上菊之丞の会(2022/9/3)

最近あちこちで大活躍の尾上菊之丞さんの襲名後初の会でした。って、襲名したの、随分前ですよね。

とても楽しい、素晴らしい会でした。途中のつなぎで急遽お話することになってしまった茂山逸平さんのお話にあったように、いろいろな菊之丞さんの面を見せていただける会でした。

両花道でしたよ。

昔、まだ青楓さん時代に仕事をさせていただいたご縁で、今もご案内を頂けて、行くことにして、本当にいい舞踊家さんとご縁ができてよかったなと思っております。菊之丞さんはお囃子もできるし常磐津もやるし多分長唄三味線もできるのだろうから、やはり音楽がわかってる人の舞踊は違うなと思いました。お仕事したときも音楽がわかっていらっしゃるので話が早かったです。

逸青会も是非伺いたいと思います。

【演奏会】女流義太夫演奏会8月公演「義太夫の怪談」(2022/8/20)

昨年、陽性者が出てしまい、当日中止になった公演のリベンジでした。「播州皿屋敷」と「東海道四谷怪談」。有名な怪談です。

どうせなら、と、開場時にうすーく下座のSEを入れたりしました。客席も暗めに。

お客様もたくさん入ってなかなか良かったです。

天気が良かったので幟を出していただきました。

見台の房もちょっと渋くしてみたり。

【ミュージカル】ミス・サイゴン(2022/8/15)

「ミス・サイゴン」は今年が日本初演から30年だそうだ。今まで何度も見たいと思ってきたけれど、なかなか都合がつかなかったり、チケットが取れなかったりで行けなかった。
日本初演から30年目にしてようやく初「ミス・サイゴン」だった。

市村さんでエンジニアを観たかったが仕方ない。キム役は高畑充希ちゃんだったので嬉しかった。
クリス役の小野田さんは筋肉の付き方が米兵っぽくてよかった。鍛えている感じがして。

2022/8/15マチネのキャスト表

ベトナム戦争って、まだ終わってから50年経っていない。なんだかそれを題材にしたのはすごいことだなと思う。それも30年前に。つまりベトナム戦争が終わってまだ10年そこらでミュージカルの題材にしたってことでしょう。

なんだかとても生々しく感じた。

「レ・ミゼラブル」は昔の話で、まだ「物語」として受け入れられるし、みんな死んでしまうけど、コゼットとマリウスの結婚、ジャンバルジャンの死も二人に看取られて、新しい世の中への希望みたいなものが見える終わり方だから、なんとなく救いがある。

でも「ミス・サイゴン」は救いがなかった!あんなバッドエンド、悲しすぎる!キムがかわいそうでかわいそうで。
でもきっとあぁいう子はたくさんいた(いる)んだろうな。
タムが幸せになってくれたらいいなと思いながら劇場をあとにしました。

Q A NIGHT AT THE KABUKI(2022/7/29~9/11)

NODA・MAPの「Q A NIGHT AT THE KABUKI」を観てきました。

野田さんの演劇は最近、見ると涙が出てしまう。面白いけど、重いテーマを扱っていることが多いからかもしれない。

「Q」は再演で、初演と同じメンバーで、これからイギリス公演、大阪公演、台北公演がある。

会員になっているので、先行予約でいい席が取れた。前から2列目だった。みんな素晴らしい役者さんたちだけれど、やはり松たか子さんが素晴らしかった。まだまだみてない方もいると思うのでネタバレしないようにする。

タイムリーに源平合戦の話と、ロミオとジュリエットと、それから30年後の世界と、Queenの音楽ともうぐちゃぐちゃのようなのに、ちゃんとまとまるところがすごい。

9/11までならもう一度行けるかな。ほんとにすごい芝居だった。

日本では大阪公演が10月にある。ぜひ見てほしい。

【美術展】芸術×力 ボストン美術館展(東京都美術館 2022/7/23~10/2)

 

ようやく行ってきました。「ボストン美術館展」。

久々に美術館に行きました。そもそも最近外に出てないから、外出が久しぶりでした。

昨日は用事で都内に出たのでついでに行ってきました。

私が個人的に見どころと思うのは「吉備大臣入唐絵巻」ですかね。

あとは見てよかったのは1700年代のギターと、メリウェザー・ポストのブローチですね。

60カラットのエメラルドなんてそうそう拝めませんから。

あとは最初にどーんとあるナポレオンの肖像画はよかったです。

コロナのせいで、人が溜まると困るとかいろいろあるんだろうけど

来ているものは少なかったですね。会期長いから何回かに分けるのかな?

しかし「吉備大臣入唐絵巻」は面白かった。

【読書】「あひる」「星の子」今村夏子著

最近小説をあまり読まなくなっていました。読むのは古典文学ばかりで、現代小説はあんまり読んでいませんでした。

でも今村さんの小説はすんなり読めました。

『あひる』は短編小説集です。
『星の子』は一冊でひとつの小説ですが、どちらも読みやすい。そして、なんとも日常な感じでした。
特に大きな事件があるわけでもなく、ハラハラドキドキしたりするような小説ではありません。
今村夏子さんはすごい経歴の持ち主で、
2010年 太宰治賞
2011年 三島由紀夫賞
2017年 河合隼雄物語賞
2017年 野間文芸新人賞
2019年 芥川賞
という、素晴らしい受賞歴です。
しかし太宰治賞と三島由紀夫賞を取るというのは、太宰と三島の関係を考えると不思議ですね。
三島は太宰が嫌いで本人の前で「私はあなたの文学が嫌いです」と言い放ち、それに対し、太宰は「そう言いながら会いに来るんだから本当は好きなんだ」と言うという、おかしなエピソードがあります。
因みに私は太宰がすごく好きで、高校時代に「太宰のことはあいつに聞け」と言われ、太宰の本名の「津島修治」からあだ名が「津島」「つし」だったほどでした。担当ではなかったのに国語の先生が論文のコピーをくれるほど高校では私の太宰好きは有名でした(今も大事にとってあります)。三島も文章は美しいと思っているし、思想的には共感もします。高校時代からの親友は三島好きです。新婚のとき玄関に三島の写真が飾ってあったのは引きましたが。
大学のとき、一ヶ月入院したときに、ほぼ全部三島は読んだと思います(それしか当時はすることがなかった)。太宰の作品は高校時代に全集も持っていたし、とっくに全部読んでいたので、太宰のほうがやはり好きだったりします。また今読み返したりしています。
今村夏子さんの文章はとても読みやすいです。
「星の子」は新興宗教(?)にはまってしまっている家族の話ですが、でも普通の生活を送り、特に大きな問題にもならず、普通の生活を書いた小説でした。ハラハラドキドキもしない、淡々とした小説。
他にも、今図書館で予約しているので、来たら読みます。
もう、うちに本を置く場がなさそうです。
でも本田安次先生の民俗芸能の全集は元上司からもらうことにしましたよ!
高くて買えなかったからね。捨てるくらいならくださいとお願いしました。
きっとうちは本で寝床がなくなる(笑)
【コンサート】PMFオーケストラ東京公演(2022/8/2 サントリーホール)

小曽根さんの追っかけとして、サントリーホールに行ってきました。

曲目は「オベロン序曲」
そしてプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」
ブラームス「交響曲第2番」。
小曽根さんのプロコのピアノ協奏曲3番を聞くのは2度目。
前回も良かったけど今回良かったんじゃないかなぁー。
というかPMFオケをきちんと知らなかったんだけど、やはり若い人たち中心というのはいいよね。
指揮者はラハフ・シャニで、ズービン・メータの後を継いでイスラエル・フィルの音楽監督になった若い指揮者…といっても1989年生まれだから、もはや若手でもないのか。
メータも50年続けたイスラエル・フィルの音楽監督、ラハフ・シャニも続けてほしいし、なんと言ってもイスラエル、テルアビブ出身だから、頑張ってほしい。イスラエル・フィルにはまた日本に来てほしい。
いやしかし小曽根さんですよ。
このところオケとの共演が多いけれど、どんどん良くなっている(って私が言うのはおこがましいけれど)。
今日のプロコはとても良かったですよ。
ちょうど小曽根さんの背中を見るような席だったけど、彼がどんな表情してるかわかる気がしました。
プロコなんてあんな複雑な曲、よく暗譜で弾けるよね。
小曽根さんらしさも残しつつ、でもきちんと弾いてて、素晴らしかった。もしかすると(もしかしなくても)出演者で最年長だったと思うけど、
彼は若い人とやるのが嬉しいのでしょうね。
先日のN響より全然良かったですよ。
小曽根さん、ホントに素晴らしい方だなぁ。
どこかで会えるチャンスがないだろうか。
【読書】平家物語 犬王の巻 古川日出男 著(河出文庫) から「平家物語の世界」へ

 

先日、映画「犬王」は観に行きました。

原作もあるので読んでみようと思いました。

今は映画「犬王」のカバーが上からかかっていて、2枚カバーがかかっています。

映画で、犬王と友魚(ともな)が「(俺たちの)平家」を語るたびに

成仏できない平氏の霊たちが成仏していく・・・というような表現を見て

つまり平家は滅んでいった平氏への鎮魂なのか。と思い、

ちょっと調べたら、『江戸川大学紀要』第三二号に

「『平家物語』における鎮魂の諸相」という論文があって(岡田大助 著)、

『平家物語』の主題については、古来、平家滅亡の悲哀、仏教の無常観等諸説ある。しかし今日、少なくともその主題の一つが鎮魂である点については、ほぼ定説となっている。( 『江戸川大学紀要』第三二号「『平家物語』における鎮魂の諸相」岡田大助 より引用)) 

とあり、やはり「鎮魂」なのか、と。

そのあとNHKの「100分de名著」のテキスト『平家物語』を読み(能楽師 安田登 著)、

『平家物語』と能は、戦いで命を落とした人や、この世に思いを残して死んでいった人の霊を鎮魂するという、共通の役割を持つ芸能でもあります。(NHKテキスト 100分de名著『平家物語』安田登 より引用)

とあって、やっぱり「鎮魂なのか!!」と。

「犬王」の映画を見るまでまったくそういう考えには至りませんでした。

私は能が苦手で(とはいえ結構見ている)、つい避けがちなこともあって、全然知らなかった。

『平家物語』自体は好きで、岩波文庫全4巻で読み、また大学の時のテキストもあり、

仕事で平家語り研究会とかかわるようになって、「覚一本」まで買ってしまうくらいには好きです。

でも、平家語り研究会の演奏会に関わって、薦田先生からお話を聞くまでは、

『平家物語』という本があって、それを琵琶法師が覚えて語っていたのだと思っていました。

が、逆で、琵琶法師が語っていた平家の話をまとめたものが『平家物語』なわけです。

なので、「犬王」みたいに「俺たちの平家」というものが琵琶法師それぞれにあったと思います。 

それを覚一が当道座としてひとつにまとめて、残したのだと思います。

そして江戸時代になって「平家正節(へいけまぶし)」が作られ、伝えてきたのだろうと。

ただ、伝えてきたのが盲僧なので、いろいろと違ったりはしたでしょう。

現在、正当な継承者として残っているのは今井勉師お一人だけですが、

平家語り研究会で若手が薦田先生と一緒に「平家正節」と、現行残っている曲から復刻を試み、

演奏会を年に1回開いている、ということです。

ここで宣伝は滅多にしませんが、9月9日に平家語り研究会の演奏会があります。

カンフェティ https://confetti-web.com/heike-katari/

私はどっぷりはまっておりまして、事務関係ほぼやっております。(経理は苦手なのでお任せして・・・)

大河ドラマも「鎌倉殿の13人」ですが、半分くらいは平家滅亡までの物語だったので、

よく知っている『平家物語』に出てくるお話でした。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式ホームページ

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/

またアニメ『平家物語』も人気です。

映画「犬王」はいろいろ考えさせられるきっかけを作ってくれた映画なので、お勧めしたいです。

アニメ「平家物語」公式ホームページ

https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/

映画「犬王」公式ホームページ

https://inuoh-anime.com/

【舞踊会】花形・名作舞踊鑑賞会(2022/7/23 国立劇場小劇場)

本日は国立劇場小劇場に花形・名作舞踊鑑賞会を観に行ってきました。

朝起きたらものすごく暑くて、着物は諦めました。夏にお出かけの時、着物着られるの偉い!私は無理!

一部と二部とあり、総入れ替え別料金でしたが、両方とも行きました。

いやぁ、いろいろ思うところありまして、疑問点もあったので、今度舞踊家さんにうかがってみようと思いました。

「かさね(色彩間苅豆)」は覚えがあって、今調べたところ、2008年に亀治郎(四代目猿之助)・海老蔵で見てます。

あ、なんかこの海老蔵はまぁまぁだった覚えがあります。

でもその時に一緒にやった「加賀見山旧錦絵」の岩藤がひどくて、なんじゃこりゃ、と思ったほうが印象にあって・・・。演舞場でしたね。

今日の「かさね」は、う~ん。なんだか長く感じました。

最近プログラムにいろいろ気になったことは書き込むことにしています。忘れちゃうから。

二部の最後の「棒しばり」はよかったです。面白かったー。

久しぶりに観ましたが、ほんとに面白かった。

演奏者がかなり変更があったのはやはり歌舞伎の影響もあるのかな?

今感染者大爆発ですものね。

しかし日本舞踊はセリフも言えないといけないからね。セリフが下手だと突然すごく下手に見えてしまう。

あと、昔上司が言っていたのだけど、女役を女がやるとあまりにも生々しい。というのが

ちょっとわかりました。

でも日本舞踊面白い。

「勉強しなさい」

とKさんにずっと言われていて、去年あたりから日本舞踊のお勉強をしているのですが、

今日はなんと後ろの席がそのKさんで、「よしよし」と褒められました。

もっと日本舞踊の勉強しますよ。

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