観たり、聴いたり、思ったり
【歌舞伎】吉例顔見世大歌舞伎 歌舞伎座(2021/11)

今日は歌舞伎に行ってきました。第2部。
仁左衛門さんの「連獅子」が見たくて。

第2部のひとつ目は「寿曽我対面」で、十世三津五郎七回忌追善狂言でした。
「寿曽我対面」は昔は全然面白くないな〜と思っていましたが、最近は「これは大事な演目だな」と思います。これが立派に出来ないようではもはや歌舞伎役者ではないなと思う、というか。型の塊みたいな演目ではないかと思います。

そして「連獅子」。連獅子は後ジテの毛ぶりばかり言われますが、今回は前シテの、仔獅子を蹴落として、

〽登り得ざるは臆せしか あら育てつるかひなやと」

のところの親獅子の仁左衛門さんがとても素敵でした。
全体に、中村屋のような元気いっぱい若さいっぱいみたいな派手な連獅子ではなく、上方の方だからなのか、ちょっとはんなりした感じでした。前シテの部分をこんなに意味深く感じたことはなかったなぁ。
フリも、色々違って、わかりやすいところで言えば、親獅子が仔獅子を蹴ってくるくる回るところは中村屋も澤瀉屋も下手(しもて)に転がっていましたが、松嶋屋さんは上手(かみて)に転がってました。
あとお囃子の「露の間(っていうんだっけ?)」のところは獅子のフリは他ではなかった気がするんですが気のせいですかね。
仁左衛門さんももう喜寿とのことで、かなり毛ぶりは大変そうでしたが、千穐楽まで頑張っていただきたいです!
思わず今まで一度も買ったことのない「舞台写真」を買ってしまいました。

そうそう、歌舞伎座はまだ座席は一つおき。去年は扉は開けっ放しでしたが、今はカーテンが引かれていましたね。いくらか外の音は遮断されますね。
歌舞伎座はやっぱりいいなー。

【演劇】「パ・ラパパンパン」 シアターコクーン 藤本有紀作 松尾スズキ演出(2021/11/3〜28シアターコクーン)

久しぶりにシアターコクーンに行きました。松尾スズキ演出「パ・ラパパンパン」(作:藤本有紀)を観ました。

久しぶりに笑ったー。面白い演劇だったー。楽しかったー。
こんなにみんなが笑える舞台ってコロナになってから初めてだったんじゃないかってくらいだった。
キャストは豪華で、私は神木隆之介くん目当てだったところもあるのだけれど、彼は舞台はまだ2作目なんですよね。
でも全然そんなこと感じさせない、素晴らしい演技!松たか子さん、皆川猿時さん、小日向さんほか、色々とクセもありそうな人たちもいるのに、全然負けてない。
彼はできないことがあるんだろうか。すごい人だぁ。28歳。まだまだ何でもやれるね。すごいことだ。もっと舞台に出てほしいです。
プロジェクションマッピングも使ってたけど、いい使い方で、とても効果的でした。ちゃんと大道具さんの活躍するところもあり、なんだか凄く凝った芝居でした。音も面白かったなぁ。
開演前アナウンスが松尾さんご本人で、ちょいちょい笑わせてくれる楽しさもありました。でもきちんと伝えなければならないことは伝えてました。(当然ですね)
今年私が見た芝居はアタリだな。そんなに行けてないけど。
もう一回観てもいいなと思ったくらいでした。
大阪公演は2021/12/4〜12森ノ宮ピロティホール
【演奏会】第三回現代邦楽「考」 東京文化会館小ホール(2021/11/9)
本日は本当に久しぶりに現代邦楽のコンサートに行ってきました。
指揮者のいる邦楽のコンサートなんて何年ぶりだろうか。
間宮芳生先生の「四面の箏のための音楽」(1957)は多分何度か聴いているらしく懐かしさすら感じた。私が生まれるよりずっと前の曲だ。
あとはもうなんかよくわからんかった。
昔は私も現代曲弾いてたのになぁ。
でも三味線はだいたい求められるのは太棹の音か、細棹の音だったから、中棹の私は細棹を弾けるように練習しましたよ。
若い頃は楽しかったし、作曲者からの直接の指導などはとても勉強になった。
最近は邦楽は古典流行りなので、現代曲は流行らない。そもそも再演されないことが多すぎる。
再演されて、100年後に古典になっているような曲がほしいですね。
昔、私に「古典はなくなる!」と言った箏曲家がいましたが、絶対に古典回帰の時代が来ると私は思っていました。
なので逆に現代曲やってるのが珍しい感じがして、新しいのかなと。いや現代で新曲なんだから新しいわけだけど。
表現が難しいな。
古典が一周回って新しくなったのか。
まぁなんでもいいや。
しかし「考」のメンバーの中で知ってる人はほとんどいなかった。現代曲をやる人が一新したんですかね。
そして三橋貴風先生の現代曲のときの風格たるや、もう誰も敵わない。
やはりすごい先生だなと思いました。
竹井誠さんも安定感抜群だった。
なんか自分がババアになったことを感じた。学生時代を知ってる人とかが、もうすごいプロなんだもの。
【演奏会】第十三回山木千賀リサイタル〜箏曲と浄瑠璃音楽〜(2021/11/7)
本日は「第十三回山木千賀リサイタル〜箏曲と浄瑠璃音楽」を聴きに行って来ました。
とても意欲的なプログラムだと思い、楽しみにしていました。
千賀さんはとても風格のあるいい歌を歌います。コロナ禍にあっても、オンラインでリサイタルをやったり、CDやDVDを出したり意欲的に活動されています。今回のリサイタルももうオンライン覚悟だったと聞いています。
しかし詳細は書きませんが、色々あり、考えさせられる会でした。
頑張ろう!まだまだこれからだ!
【映画】燃えよ剣(2021/11/6)
映画「燃えよ剣」見てきました。
司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んだのは多分15歳頃だったと思うけど、その前に年末時代劇「白虎隊」が1986年で私が14歳で、このドラマがきっかけで、私の幕末好き、新選組好きが始まっているので、多分ドラマを見て、本を読もうと思ったんでしょうね。
今回の映画はやはり2時間半では収まりきってないなというのが感想です。
土方のインタビュー?回想?というような形をとって、細かいところは済ませるしかなかった。というところか。
池田屋とか、芹沢鴨暗殺などは割とたっぷりとっていたけれど。
でもあれは幕末に詳しい人と新選組に詳しい人じゃないとわからないことがたくさんある気がする。
キャストはまぁ、合ってないことはないのだけど、私の中では1986年のドラマのキャストで出来上がっているため、土方は近藤正臣、近藤は夏八木勲、沖田は中川勝彦(ショコタンのお父さん)なのだよ。近藤正臣さんは今はなんかいいおじいちゃんになってるけど、めちゃくちゃカッコよかったんだよ!当時の写真見てほしいよ。
村上虹郎の岡田以蔵は良かったかな。伊藤英明の芹沢鴨も悪くはなかったけど、これは大河の佐藤浩市には敵わない。
あ、因みに私は大河の「新選組!」もほぼ見ていません。大好きな役者さんばかり出ていたし、三谷幸喜だったし絶対面白いのはわかってたけれど、キャストに納得ができなくて。納得できたのは芹沢鴨くらいだった。
映画では帝が巳之助くんで、容保が尾上右近くんでした。歌舞伎役者があぁいう役が合うのはわかる。
でも容保は大河の「八重の桜」の綾野剛が最高だったな。
まぁ、右近くんは歌舞伎役者としても清元の方ももう少し頑張って欲しいと切に願っています。
映画の殺陣は岡田准一くんが主役なので、とても良かったです。エンドロールで、土方歳三殺陣は岡田くんの名前が出ていましたので、自分で監修したんですかね。でも全体に殺陣はしっかりしていました。
直接この映画とは関係ありませんが、映画館は今、嵐のコンサート映画をやっている(私が行く映画館にはDOLBYがあるので早い。通常のところは23日からとかだったかな)ので、激混み!一番大きいところでやってるとは思うけど、出てくる人も多くて時間かかるし、入場者も多いし、グッズ売り場も激混み。そこは気をつけたほうがよさそうです。

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【演奏会】第27回藤井泰和地歌演奏会(2021/11/4)
本日は紀尾井小ホールにて、「第27回藤井泰和地歌演奏会」で、舞台進行しておりました。
古い付き合い(私が学生時代から!)のお箏屋さん、いつもの録画チームの信頼出来る人たち。
何よりもホールのスタッフが、今日は懐かしい人たちがいて「わー、たくさんいる!」と言ったら「今だけ〜本番はいないよ〜」と言われてしまった。でも久しぶりに会えて嬉しかったです。
演奏会はとても良かった。「御山獅子」良かったなぁ。
リハでは音に苦労した「尾上の松」も本番はいい音だったと思う。
「吾妻獅子」は地方の方もいたのに、よく合って、カッコよかったです。三絃があれだけ並ぶのカッコいい。
写真はリハのもので、照明とか固まってないのもあるし何より私が適当に記録として撮ってるだけなので、たいした写真ではありません。

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【演劇】The DOCTOR 演出:栗山民也
2日間だけさいたま芸術劇場で公演があったので行ってきました。「The DOCTOR」。
人種問題、宗教問題などなど重い題材。
日本人の作品ではなく翻訳劇なので、日本人の私にはどちらもなかなか自分のこととして理解は難しい。
11/4〜28 PARCO劇場で公演あります。
【演奏会】津賀寿の会 コットンクラブ(2021/10/29)
本日は丸の内コットンクラブで「津賀寿の会」でした。
プログラムには生意気に「舞台監督」となってましたが、「舞台進行にして!」って言ったときにはもう間に合わなかったのです。監督なんて立派なことはしてません。
でもPA入れるのが前提のところでやるのはとても難しかった。でもすごく勉強になった。スタッフさんもとてもいい方たちばかりでした。
「三つ子の憂鬱」は寺子屋へ続く物語の感じがあり、とても良かった。詳しくは私にはわからないけど、元々の手とか入ってたと思う。聞いたことのある三味線のフレーズは何度も出てきた。そこに善養寺さんの尺八がうまく絡んでいたと思う。
「寺子屋」は最初、駒之助師匠の声が本調子じゃないのか?待ち疲れちゃったかしら?と思ったけれどそんなことはなくて、どんどん盛り上がり、見台を叩くまで盛り上がった。松王丸の泣き笑いは思わず袖でもらい泣きしてしまった。やはり「寺子屋」は名作だと思うし、70分を語り切る駒之助師匠はやはりすごい。
コットンクラブ初の伝統芸能が駒之助&津賀寿の「寺子屋」ってすごいことだと思う。
写真はすべてリハのものです。
個人的に、Blue Noteマークのお水が嬉しくて、もらって帰ってきた♡

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【演奏会】第五回 徳丸十盟 尺八演奏会(2021/10/21)
昨日は「第五回徳丸十盟尺八演奏会」でした。
3曲琴古流本曲、1曲外曲(山田流「桜狩」)でした。
リハのときに本曲を、サラサラ吹くなぁと思ったので、「もっとたっぷり吹いていいんじゃない?」と言いました。あんまりねちっこいのはイヤだけど、せっかくのリサイタルなんだし。と思ったので。本番はいい感じにたっぷりだったので良かったです。
そもそもまだ五回しかリサイタルやってないことにびっくりですよね。
ここのところ本曲だけの会をやったり、来年も会をやると言ってましたので、安心しましたけど。
山田流箏曲「桜狩」は山田の重鎮勢揃いで、ひれ伏しちゃう感じでした。でも逆にこれだけの方々にお願いしてしまう徳丸さんはすごいなと思いました。
最後に明るく華やかになってよかったなと思います。
写真はリハのものです。(まだ照明が固まってない)
徳丸さんとはなんだかんだもう20年以上のお付き合いで、徳丸さんのCDの一曲目に入っている録音のとき、初代邦山先生とで、1度録音して、確認してもらったら先生が「いいね!大丈夫!」っておっしゃって帰っちゃって、徳丸さんとしてはもう一度お願いしたかったと思うけど言えず、周りもなんか「いや、先生もうワンテイク…」と言えず、一発録音だったのを覚えてます。

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【演奏会】女流義太夫演奏会10月公演(2021/10/20)
本日は女流義太夫演奏会10月公演でした。テーマは「あめかんむり〈雨・雷・雪〉」。
演奏の前に解説があり、三寿々さんだったのですが、彼女は演奏家でもあるけれど研究者でもあり、お話が上手いので、難しくもなく、でも興味をもたせる解説で適任だと思いました。
演目は生写朝顔話「大井川の段」、菅原伝授手習鑑「天拝山の段」、傾城恋飛脚「新口村の段」でした。
大井川は寿々女ちゃんががんばっていました。深雪の役と合っている感じがしました。
天拝山は越若さんしかできないよなと思いました。この段はなかなか文楽でも見ることがないのですが、私は通しを見たことがあり、すごい段だったのを覚えています。
新口村は有名すぎるほど有名ですし、越孝さん・寛也さんという組み合わせで以前にも聴いているような気がします。
しかしお客さん久しぶりによく入って、みんな待っていたのだなぁと思いました。
でもまだまだ油断禁物ですよ。手洗い、うがい、消毒、マスク。これらの生活はまだまだ続けないと危ないと思います。
これで、公演のあとに食事ができたら文句ないですね。片付けして帰る頃にはもう店は当然しまっていて(閉まってない店もあったけれど、新たにお客を入れる雰囲気は流石になかった)、そのまま帰り。家で簡単なものを一人寂しく食べました(泣)
あ、帰り道、空を見上げたら月がキレイでしたよ。