観たり、聴いたり、思ったり
【演奏会】女流義太夫演奏会4月公演(2022/4/20 お江戸日本橋亭)

毎度おなじみ、月イチの女流義太夫演奏会の定期公演です。

最近はなんとか20日固定でいきたいと思っております。

お天気がイマイチでしたが、幟も出していただけました。

4月公演は駒之助師匠、綾之助師匠お二人のご出演ということで、

予約開始2日で予約は定員いっぱいになり、おかげさまで大入りでした。

ありがとうございます。

でもまだまだお江戸日本橋亭は落語は存じませんが、義太夫は感染対策をしっかりして、

お客様と出演者の距離もあけ、人数も減らしての開催です。

アクリル板も設置。演者もやりづらいとは思いますが、まだまだ油断できない状況です。

演目は『義経千本桜』の「河面法眼館の段」でした。狐忠信ですね。

【本】「昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃」中川右介(幻冬舎新書)
「昭和45年11月25日」
この日に起こったことが何なのか、知らない人はいないだろう。というか、少なくとも私と親しくしている人で知らない人はいないと思う。もっと言えば「知らない〜」という人とは親しくなれない気がする(笑)
それくらい大きな事件だったはず。
私はまだ生まれていない時の事件だけれど、もちろん知っている。演説もTVで見たことがある。檄文はもちろん読んだことがある。「楯の会」(会の中身が昔と同じなのかどうかは不明)の集会のポスターも見たことがある。
この本は昭和45年11月25日に何が起こったかを、当時の人たちの回想や寄稿文などを集めたもので、三島の行動ではなく、そのことを知った人たちがどうしたのかを集めてある。
とてもおもしろい本だった。久しぶりに本を読むのに熱中してしまい、電車を乗り過ごした。
この事件は今だったら映像も流れないし、まして三島と森田の首の写真など新聞に載せるはずもない。1970年だったからだ。(岡田有希子の飛び降り自殺の遺体の写真は見たな。1986年だって)
当時は携帯もない、FAXもない。カメラもフィルムだしデカイし重いし。
でも1970年11月25日のことは何らかの方法でみんなその日に知った。
私の母は当時高校生で、ちょうど事件はお昼時だったので校内放送が流れたそうだ。
「三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に立てこもって、割腹自殺した!」
情報が得られるのはきっとTVがある職員室くらいだから、先生が流したのだと思う。
そういう女子校だ。私もその高校の卒業生だからよくわかる。三島を読んでた人もたくさんいたと思う。
この本はオススメしたい。
とりあえず、私の親友が三島ファンなので、貸す予定になっている。
ただ、ひとつ納得行かないのは「あとがき」。
三島は戯曲もたくさん書いていた(評価も高い)し、役者もやっていた(こちらは評価は低い)から、演劇に触れることは当然なので、歌舞伎のことに触れるのも当然なのだが(三島の歌舞伎作品は今もよく演じられる)、その中の一文に「海老蔵の時代が来る」とあり、ここだけは全く同意できない。この著者はかなり歌舞伎も見ていそうだし、これだけの資料をバッと集められたくらいなので(手持ちの著書・資料だけで100人分くらいの三島について書かれているものを集められたらしい)、知識も見聞も広そうだし確かそうなのに、「海老蔵の時代が来る」だと?
初版は2010年なので、海老蔵と言ったら今の海老蔵だ。
私は海老蔵の時代は来ないと思う。
少なくとも、歌右衛門や玉三郎と並ぶようなことはあり得ない。私が親しくしている人で海老蔵を評価している人は一人もいない。冒頭と同じになるが、海老蔵を評価する人とは多分親しくなれない。海老蔵で評価できるのは「見た目」だけである。写真集ならいいかもしれない。でも動いたらもうだめ。下手くそ!と、大向うをかけたくなる。無駄に目をギョロつかせるし。
アレで團十郎襲名はホントに困ったもので、だいたい古典ができないから、当初一昨年襲名予定のときの演目見たら2ヶ月歌舞伎座でやるのに同じ演目。結局演れるものが少ないということでしょう。なのに市川宗家。頭が痛い。
そこだけはこの著者に同意できないけれど、この本は「買い」である。ちゃんと紙で持っていたい。そして時々見返したい。
*追記(2022/4/18)こちらの著者は歌舞伎に関していくつか著書がありますが酷評されているとのこと。みんなの総意として「何もわかってない」「どれだけ見たのかわかったもんじゃない」などなど。でもいくつか本がでているということは、何もわかってない出版社・編集者が多いという事でしょうか。
まぁ、この本は歌舞伎関係ではないので、よしとすべきか。

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【演奏会】平家語り(東海道かわさき宿交流館 2022/4/16)

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…」

は日本人なら誰でも知っていて、
琵琶法師が語ったものだということも大体の人は知っていると思う。
でも平家琵琶で語られる平家物語を聴いたことがある人はとても少ないでしょう。
そんな中、貴重な機会を与えて頂きました。
私は「平家語り研究会」の一員ではないですが、発表会の初回からお手伝いしているので、ちょっと売り込んでみました。(この営業能力ない私が!)
こんなご時世でもあり、どれだけお客様がみえるか心配しましたが、ほぼ満席。
ありがたいです。
しかも初めてというお客様ばかり。
この「東海道かわさき宿交流館」が川崎の皆さんにすごく愛されているのだなと思いました。
タイトルは悩みました。正確には「平家」と言うそうですが、平氏一族のことと思われそうだし、「平家物語」とすると音楽なのか朗読なのかもわからないし、「平家琵琶」は楽器のことだし…
というわけで「平曲」か「平家語り」で迷い、「平曲」は最近使われない傾向なので、「平家語り」としました。
相変わらず声の良いお三人。最近は平家の活動も増えてきました。

2022/9/9平日の昼公演予定ですが、紀尾井小ホールで「平家物語の世界その6」を開催致します。
お問い合わせなどはこちら
平家語り研究会HP https://heike-katari.com/
まだ本チラシが出来ていませんので、欲しい方は、HPの左上の「お問い合わせ」欄から進でいただき、郵便番号・ご住所・お名前をお知らせください。チラシが出来ましたらお送りします。

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【日本舞踊会】古今花舞台 第六回四季の饗宴 春(2022/4/15 国立劇場小劇場)

今年の私の目標は「日本舞踊のをたくさん見る」なので、ご縁のあるところには行くことにしています。(もちろん仕事優先になってしまいますが)

朝から晩までやっている会で、仕事を一段落させてから伺いましたので、2部の途中からでした。
新名取の方の演目では途中で手拭撒きがあったり、楽しい気持ちになりました。
「かまわぬ」の柄は有名ですが、「かまいます」の柄は初めて見たので笑ってしまいました。
舞踊は踊ってる人の芸も大事ですが、なんと言っても後見が大事だなと思いました。
後見が上手だと踊ってる人まで上手に見えます。
引き抜きなどがキマるとやはり上手に見えるものですよね。
【演奏会】第18回はなやぐらの会~橋本治さんを偲んで~(2022/4/10 紀尾井小ホール)

 「はなやぐらの会」のお手伝いをするようになったのは2009年、紀尾井小ホールにうつってからなので、もう13年になります。

その間橋本さんがゲストトークで出てくださったのは6回。

橋本さんは2019年の1月に亡くなりましたが、その年の「はなやぐらの会」でもご出演予定でした。すごく残念に思いました。寛也さんが落ち込んで「会ができない」と言わないかも心配でした。(無事開催されましたが)

翌年からコロナで2回延期となり、ようやく今年復活。

13年前ごろはまだ4月でもなんとか桜は残っていて、ちょうどホールに向かう道でお花見気分だったのですが、ここ数年はすっかり桜が終わってしまうようになりました。

今回は橋本さんを偲ぶということで、橋本さんが作られた『「源氏物語」六条院春の道行』と追善ということで『仮名手本忠臣蔵 勘平腹切の段』でした。

当所の予定にはなかったのですが、最初に、道行の初演時の橋本さんのお話の映像を映し、会場も同じ紀尾井小ホールでしたので、なんだか小ホールの舞台に小さな小ホールがあるような不思議な感じでした。

橋本さんのご家族が写真を貸してくださって、ロビーに飾りました。若い時の写真も貸してくださって、これは想定外だったのでとても嬉しく、寛也さんのお持ちの写真と合わせて三つ、並べることが出来ました。

とにかく暑いくらいのいい陽気で、橋本さんも応援してくださったかなと思いました。

それから、土佐子さんの浄瑠璃をしばらくぶりに聞くことができ、さすがだなあと思いました。(ちょっとご病気されてたのです)土佐子さんも気合が入っていたのか、珍しく、見台を叩かんばかりの勢いで、とてもいい「勘平腹切」でした。

いや、ホントにいい会だったと思いました。

撮影はリハ中。©大森美樹

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【シネマ歌舞伎】桜姫東文章(上の巻)

 

久しぶりに時間ができたので、
歌舞伎座に見に行けなかった(退院後完全に引きこもりになっていて、何も出来なかった時期だった)仁左玉の「桜姫東文章」の、シネマ歌舞伎見てきました。
大画面で見ても、白塗りしてなくても美しい仁左衛門さんと玉三郎さんのそれぞれのお話もあり、とても良かった。
あぁ、仁左衛門さんって普段はとても柔和な感じのいい男ですが、舞台では色悪もできる、似合ってて、そして年齢を感じさせないカッコよさ。本物のいい男。
そして玉さまの色っぽさ。
画面が目一杯美しかったです。
公開は多分上の巻が4/8から。下の巻は、4/29から。
一昨年の明治座でやるはずだった中村屋の「桜姫」も是非実現してほしい。

【演奏会】第51回邦楽演奏会~邦楽を彩る動物たち(2022/3/27)

第51回邦楽演奏会、開催されました。

この演奏会は3部構成になっており、第一部は子供向けで「親子で楽しむ邦楽演奏会」、第二部、三部は普通に公演です。

邦楽の様々なジャンルを一度に聞ける公演は少ないので貴重です。しかも「都民フェスティバル」の一環なので、大変お安いチケット料で聴くことができます。

来年は2023年3月25日だそうです。来年まではとりあえず国立劇場かな?それから先はどうするんだろう・・・。

今回は第三部に行きました。

うーん。いろいろ考えてしまう会でした。

穴開けてるのわかっちゃって。「あー、もう座れないのね」って思ってしまう。

声が上がりきらないとかね。昔を知ってるから、余計に思うんでしょうけどね。

でも最後の長唄はさすがだった。若い人もたくさんいたけれど、長唄は層が厚いですね。

とっても満足。さすがでした。長唄はスカッとしますね。

【公演】能×歌舞伎 二つの世界の狐(観世能楽堂 2022/03/27)

 

観世能楽堂で開催されましたこちらの公演を見てきました。
11時と15時の2回公演。
大変だったでしょうね。
それから、観世能楽堂は目付柱が取れるというのは知っていましたが、
取った状態は初めて見ました。なんとなく不安定な感じがしますね。
能楽堂って建物だから、その角の柱がない、というのはちょっと怖い。
公演はとても面白かったです。
能と歌舞伎はある意味対象的ですから、お互いの良いところをとりいれつつも、
成り立ちが全然違うので、非常にたのしめました。
ただもっと宣伝したらよかったのに、と思いました。
満席にできないわけがないメンツの公演でしたよね。
それから、地方(じかた)の名前を書いてほしいです。
若手ばかりで演じていましたので、いろいろ思うところもありましたが、
歌舞伎の方がよく見るので歌舞伎の方はなじみがあって、
児太郎さんがすごくよくなったのを感じました。
いやー、楽しかった。満足。

【演奏会】第4回翔の会 江戸博大ホール(2022/3/26)
コロナで延期してて2年ぶりの開催。しかも初めて使うホールでした。
舞台設営から記録録音、照明、幕、すべて主催者側でやらなければならないので、普段とは違う神経を使いました。
普段は舞台進行だけに集中してればいいですからね。
舞台設営は汗だくでした。所作台16枚敷いて、そこに毛氈敷いて、屏風置く。因みに途中で屏風替えがある。もちろん終演後は片付けまで。久々大汗かく演奏会でした。
しかも今朝、体調不良者が出て(コロナではないですが)、急遽代演をお願いすることに。
代演してくださった、山登、山木両師には感謝感激です。そしてさすがですよね。今朝の連絡で代演ですからね。
不思議なものでこういうことがあると、「頑張らなくちゃ」というのが暗黙の了解みたいになって、団結力が増すというか、みんないい演奏だったと思います。
「四季の遊び」はお囃子が入ってとても雰囲気のいい演奏でした。お囃子がすごく効果的。
お客様も楽しめたのではないでしょうか。
江戸博ホールは音がいいとは聞いていましたが、実際良かったです。バランス取りやすいというか。
しかし江戸博自体が4月から改修に入るためしばらく使えません…。
来年の翔の会は2023/3/28北とぴあ つつじホールです。
【演奏会】女流義太夫演奏会3月公演 お江戸日本橋亭(2022/3/20)
毎月定例の女流義太夫演奏会。
今月は「桜咲ク」と題して、桜にちなんだ演目3つ。
「仮名手本忠臣蔵 力弥上使の段」
「一谷ふたば軍記 熊谷桜の段」(漢字が出ません)
「妹背山婦女庭訓 花渡しの段」
この3つを見てタイトルが桜とわかる人は相当なマニアではないでしょうか。
熊谷桜と花渡しはまぁ、「桜」とわかるにしても、力弥上使はなかなか「桜」と思わないですね。
義経千本桜でも入れたら良かったのに。
お江戸日本橋亭の近くの通りはオカメザクラが植えられていて満開でした。
ちょうど桜咲ク、とはなったわけですが。