観たり、聴いたり、思ったり
「兎、波を走る」鑑賞(2023,7,12東京公演鑑賞)

NODA MAPの「兎、波を走る」を観てきました。

東京公演の後、大阪、博多と公演が続きます。

野田さんの芝居は夢の遊民社の頃は面白いと思ってました。

でも、こちらがわかってなくて、面白いところばかりを見てただけのような気がします。

NODA MAPになって、何度も見に行っていますが、
正直「難しい」「抽象的」と思っていました。

最近はその「抽象的」がなんだか突然「現実的」になって、
明らかに「あのこと」を言っていると思うようになりました。

見る姿勢が変わっただけかもしれません。

でも、「野田版桜の森の満開の下」とかも抽象的といえば抽象的でしょう?

だけど、見れば見るほど心に刺さるのは自分が年齢を重ねてきたからかもしれないです。

今回も「兎、波を走る」というタイトルは全く分からず、でも野田さんだからと思ってチケットを取りました。

取って大正解でした。

抽象的、だけど、間違いなくそのことを言っている。

そういう芝居なのです。

野田さんは言葉の使い方もうまい。言葉って本当に、勝手に変えて、本来の芝居の意味を変えたりする羽目になったら一大事だけど、

今回はやはりテーマが重いせいか、あまり遊べなかったのではないかという気もします。
野田さんの脚本が、役者を遊ばせなかったのかもしれません。
野田さんも出演だったけどほとんど遊んではいなかった。
それだけテーマが重いということです。

今、野田さんの芝居が面白い。
面白いというか、問いかけている。
ただの娯楽じゃない芝居。

しかし、松たか子はすごい役者だね。
前から思ってたけど、本当にすごい。
松たか子が出る芝居を全部見たいという気にさせる。

高橋一生君もすごい。前もNODA MAP(「フェイクスピア」)で見たけど、あの時もよかった。

芝居に行く余裕がなくて、あまり行っていないけど、
芝居は一期一会だから、見逃したくない。

【演劇】『ジョン王』を観てきました(2023/2/22 埼玉会館)

本当であれば、2020年に上演されるはずだった『ジョン王』。
『終わりよければすべてよし』のあとになってしまったが、ようやく上演できることになって本当によかった。

小栗君は大河ドラマもあったし、スケジュールも難しかっただろうと思う。

彩の国さいたま芸術劇場が改修に入ってしまって、埼玉会館でやることになってしまったのは、なんとなく残念だった。

 

ストーリーがいまいち理解できなかったな・・・。
原作本を読むか。

前半が特にわからなくて、休憩ちょっと前寝てしまった。
後半はそれなりにわかってきたんだけど。

 

シェイクスピアって時代もあるだろうけど、有名なもの以外はややこしい話が多い気がする。

これは以前に劇団の方から聞いたのですが、シェイクスピアの時代の演劇は最後は一応円満解決というか、丸く収まるように書かないといけなかったとか?(出典探せてません)
バッハの時代の音楽と同じで、最後は必ず長調で終わらないといけない、みたいなものか。

まぁ私には難解でした。

シェイクスピアにだって駄作もあっただろうし、よく上演されるものはやっぱり名作で、残っていても上演されないのはやっぱりそれなりなのではないかなと思う。

文楽や歌舞伎もそうだもんね。平賀源内はいくつか浄瑠璃を書いているけど、残っている・・・というか上演されるのは『神霊矢口渡』ぐらいで、しかもこれもあんまり上演されない。一度見に行ったことがあるけど、なんだかありものつなげただけな感じで、そんなに面白いとは思わなかった。

どこの国もどんなジャンルも、面白いものは残っていくけど、面白くないのは人気が出なくて、残っていかないのだなと思った。

【ミュージカル】ミス・サイゴン(2022/8/15)

「ミス・サイゴン」は今年が日本初演から30年だそうだ。今まで何度も見たいと思ってきたけれど、なかなか都合がつかなかったり、チケットが取れなかったりで行けなかった。
日本初演から30年目にしてようやく初「ミス・サイゴン」だった。

市村さんでエンジニアを観たかったが仕方ない。キム役は高畑充希ちゃんだったので嬉しかった。
クリス役の小野田さんは筋肉の付き方が米兵っぽくてよかった。鍛えている感じがして。

2022/8/15マチネのキャスト表

ベトナム戦争って、まだ終わってから50年経っていない。なんだかそれを題材にしたのはすごいことだなと思う。それも30年前に。つまりベトナム戦争が終わってまだ10年そこらでミュージカルの題材にしたってことでしょう。

なんだかとても生々しく感じた。

「レ・ミゼラブル」は昔の話で、まだ「物語」として受け入れられるし、みんな死んでしまうけど、コゼットとマリウスの結婚、ジャンバルジャンの死も二人に看取られて、新しい世の中への希望みたいなものが見える終わり方だから、なんとなく救いがある。

でも「ミス・サイゴン」は救いがなかった!あんなバッドエンド、悲しすぎる!キムがかわいそうでかわいそうで。
でもきっとあぁいう子はたくさんいた(いる)んだろうな。
タムが幸せになってくれたらいいなと思いながら劇場をあとにしました。

Q A NIGHT AT THE KABUKI(2022/7/29~9/11)

NODA・MAPの「Q A NIGHT AT THE KABUKI」を観てきました。

野田さんの演劇は最近、見ると涙が出てしまう。面白いけど、重いテーマを扱っていることが多いからかもしれない。

「Q」は再演で、初演と同じメンバーで、これからイギリス公演、大阪公演、台北公演がある。

会員になっているので、先行予約でいい席が取れた。前から2列目だった。みんな素晴らしい役者さんたちだけれど、やはり松たか子さんが素晴らしかった。まだまだみてない方もいると思うのでネタバレしないようにする。

タイムリーに源平合戦の話と、ロミオとジュリエットと、それから30年後の世界と、Queenの音楽ともうぐちゃぐちゃのようなのに、ちゃんとまとまるところがすごい。

9/11までならもう一度行けるかな。ほんとにすごい芝居だった。

日本では大阪公演が10月にある。ぜひ見てほしい。

【演劇】パンドラの鐘(野田秀樹作 杉原邦夫演出  シアターコクーン 2022/6/6~6/28)

「パンドラの鐘」は1999年に、野田秀樹が世田谷パブリックシアターで、蜷川幸雄がシアターコクーンで、ほぼ同時期に上演され、「演劇界の事件」とまで言われた作品だそうです。

1999年ごろはちょうど仕事も忙しい時期で、少し観劇から離れていた時期なので私はまったく知らない事件です。

今年は蜷川さんの七回忌の年だそうで、「ああ、もうそんなになるのか」と思います。

今回の公演はポスターや写真は蜷川実花さんがご担当。

野田秀樹の演劇は奥が深いなーといつも思います。

今回は杉原邦夫演出でしたが、野田さんの脚本は言葉が面白い。アドリブできるところもあるだろうけど、言葉を間違ったらテーマを見失うようなところがたくさんあります。

それから、はじめのうちは何だかわからないのだけど、だんだんわかってくる、ということがあります。

今日も「長崎の原爆投下のことか」とわかったのは中盤だったし、

鐘が道成寺の鐘のようでもあり、でも原爆の形にも見えるようにできていました。

鐘の上にヒメ女が立ってるのは完全に「京鹿子娘道成寺」でしたね。さすが杉原さん。

現代と古代を行き来する芝居。しかも原爆を体験して生まれ変わって古代にいるというミズヲ(成田凌)。(最後の方でわかるわけですが)

「水をくれ、水を」という叫びが彼の名前「ミズヲ」になった。

彼は「みなしご」=「皆、死後」とかね、それで葬式屋をやっている。

初めて人を見たのは死んだ人だった、とか、死んだ人を埋めるのが仕事、とか。

なんだろうなぁ。特に「悲劇」でもないのだけど、なぜか涙してしまった今日の舞台。

成田凌さんは舞台向きですね。すごくよかった。

最後にコクーンの舞台の搬入口が開いて、古代と現代(まさに今)とが重なる。

セリフもないし、成田凌さんが一人舞台にいるだけだけど、

とても考えさせられる作品だった。

野田さんってすごい人だな。

夢の遊眠社時代から見てるし、NODA MAPもだいたい行ってるけど、

若い時はよくわからなかったな。去年の「フェイクスピア」もすごく良かったし。

今度の「Q」も楽しみにしています。

戯曲集とかあったような気がするな。細かく台本読んでみたい。

私の残りの人生の夢は演劇に関わることだな。音楽担当とかしてみたい。

そういえば、コクーンの搬入口が開くのは、コクーン歌舞伎で勘三郎がやったね。

あれも面白かったね。

東京公演は2022/6/28まで。(チケットが残ってるのかはしらないけど)

大阪公演 森ノ宮ピロティホール2022/7/2~7/5

【演劇】盟三五大切 (花組芝居 2022/6/1~8 下北沢小劇場)

下北沢に降りたのは多分30年ぶりくらい・・・

と思ったが、タウンホールで定期演奏会をやったことがあり、出たなと思い出した。

でもほぼ30年ぶりくらい。(学生の頃は下北沢ばかり演劇を見に行ってたよ)

まず、小田急で乗りすごし、戻って、駅降りたら風景が全然違って、方向音痴の私は迷いに迷って・・・(ちなみに帰り道も迷った)

しかも「下北沢小劇場」ってあるから北沢タウンホールとは別なのかと思ったら

タウンホールの地下だったという・・・。(チラシをよく見たら書いてあった)

面白いお芝居でした。歌舞伎では見たことあるけれど、不思議な演出でした。

まだこれから行く人がいるからネタバレしないけど・・・。

しかし普通に洋装で男性の恰好なのにきちんと「小万」に見えるって、すごいな。

芝居は面白い。

最後に加納さんも出てきて、写真タイムがありました。

こういうサービスもSNSで拡散できるし、ファンは嬉しいし、ありがたいですよね。

【演劇】劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」(東京公演2022/4/26〜5/28)
今日は劇団☆新感線の「神州無頼街」を見に行ってきました!
久々の新感線!
最近好きなマモ(宮野真守)が出てるからという理由で何も考えずにチケット取りました。
そしたら「東京建物BrilliaHall」とかいう聞いたこともないホールでしたが、池袋で、昔の区民ホール?でしたね!再開発でキレイになってて、周りも良かったです! 
劇団☆新感線もメンバーの若返りを考えるようになったらしく、主役が福士蒼汰くんとマモでした。そこに古いメンバーが支える感じでした。粟根まことさんとか、インディ高橋さんとか、保坂エマさんとか。
イヤー、福士蒼汰くんもカッコいいし、マモもかっこよかった。マモは当て書きなんじゃないかと思いました。
清水次郎長役が川原正嗣さんで、「おひけぇなすって」の口上がめちゃめちゃハマっててカッコよかった。
なんかいいこと全然ないけど、
やっぱり舞台観に行くと、元気出る。
芝居の音楽を当てる仕事したいなー。
作曲とかはできないけど。
音楽でも演劇でも絵でも、表現できる人ってほんとに憧れる。そしてそういう人たちの裏方をやってるのがめちゃめちゃ嬉しいと思う。
私は裏方があってる。
緞帳をあげる時が最高に気持ちいいんだ。
あと、盆は回したいよね。
東京建物BrilliaHallは盆がありました。

【演劇】ハムレット 主催:西荻窪芸術センター 会場:シアターグリーン(池袋)2021/12/22〜27
「ハムレット」見に行ってきました。池袋も小さい劇場多いですね。知らない劇場でした。義太夫が入るというので行ってきました。
ハムレットは言わずとしれたシェイクスピアの名作です。有名なセリフもたくさんあります。今回は基本は安西徹雄さん訳のものだったようですが、途中に入る義太夫は河合祥一郎さんの訳だったそうです。
普通に義太夫になっていたので面白かったです。
シェイクスピアの何かを「通し狂言」として義太夫にするのも面白そうだなと思いました。
ハムレットは、フォーティンブラスの役どころがいつも分かりづらいなと思っています。
「みんな死んじゃうのに最後に誰かが出てきて国が続く、というのが当時のお決まりだったのでは」という話を聞き、なるほど、昔はマイナーで終わってはいけないとされていたので、必ずメジャーで終わる音楽と同じか?と思ったりしました。まぁ確かに検閲(?)みたいの入ったりしたでしょうしね。
演劇好きだなー。勉強になるわー。
そして、演劇でも音のことが気になってしまい、なかなか物語に入り込めない自分が嫌になったりもしました(笑)
まだやっていますので、是非。

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【演劇】「パ・ラパパンパン」 シアターコクーン 藤本有紀作 松尾スズキ演出(2021/11/3〜28シアターコクーン)

久しぶりにシアターコクーンに行きました。松尾スズキ演出「パ・ラパパンパン」(作:藤本有紀)を観ました。

久しぶりに笑ったー。面白い演劇だったー。楽しかったー。
こんなにみんなが笑える舞台ってコロナになってから初めてだったんじゃないかってくらいだった。
キャストは豪華で、私は神木隆之介くん目当てだったところもあるのだけれど、彼は舞台はまだ2作目なんですよね。
でも全然そんなこと感じさせない、素晴らしい演技!松たか子さん、皆川猿時さん、小日向さんほか、色々とクセもありそうな人たちもいるのに、全然負けてない。
彼はできないことがあるんだろうか。すごい人だぁ。28歳。まだまだ何でもやれるね。すごいことだ。もっと舞台に出てほしいです。
プロジェクションマッピングも使ってたけど、いい使い方で、とても効果的でした。ちゃんと大道具さんの活躍するところもあり、なんだか凄く凝った芝居でした。音も面白かったなぁ。
開演前アナウンスが松尾さんご本人で、ちょいちょい笑わせてくれる楽しさもありました。でもきちんと伝えなければならないことは伝えてました。(当然ですね)
今年私が見た芝居はアタリだな。そんなに行けてないけど。
もう一回観てもいいなと思ったくらいでした。
大阪公演は2021/12/4〜12森ノ宮ピロティホール