観たり、聴いたり、思ったり
【演奏会】平家物語の世界その7 平家物語の女性たち(2023/9/8 紀尾井小ホール)

平家物語の世界その7 平家物語の女性たち―小督・巴・建礼門院-
の舞台進行をしていました。

 

実は舞台進行のみではなく、チラシ・プログラム製作の進行管理、チケットをカンフェティにお願いしていたので、その管理、ご招待状の送付、ご招待チケットの送付などなど全般担当していました。

お稽古については、演奏者のみなさんと、監修の薦田先生にすべてお任せし、
そのほかのスタッフの方も、もう7回目ともなると、みなさん慣れていて、
さっと説明するだけで済むので、お任せできます。

台風が来ていて、前日からはらはらしていましたが、
思った以上にお客様が来てくださり、嬉しかったです。
ガラガラだったらどうしようかと思いましたから。

演奏は、みなさん本当に、ただ語るだけではなく、情感がこもり、
聞いていて泣けました。

江戸時代など、本当に目の見えない琵琶法師が語っているのを聞いていたら
今よりももっと、時代が近いわけですし、テレビやラジオもない時代、語って聞かせてもらったら
きっとみんな想像力たくましく、それぞれの頭の中でイメージして、泣けてきたりしたのでしょうね。

田中さんの「小督」は山田流箏曲でも曲がありますから、物語や思いが彼の中にあると思いました。
それから彼は高音がとてもよく出るので、声を活かしていたと思います。
(舞台写真はすべてリハのものです)

日吉さんの「巴(木曽最期)」は強い女性として有名ですね。
激しい戦いだったことがわかって、緊迫した感じが出ていました。
平家の中では義仲の気持ちを汲んで、巴が去る時に敵の「頸掻き斬ってぞ捨ててんげる」が一番強烈ですよね。
やっぱり巴かっこいいな、と思いました。

菊央さんの「六道」は建礼門院のお話ですが、自分は生き残るわけですよね。みんなが入水していくのを見て
どんな気持ちだったろうと思います。平家の滅亡をただ見ているしかできないわけで。
聞いていて涙が出そうでした。

平家もはじめのうちは聞いていても物語が頭に入ってこなかったのですが、
だんだん耳が慣れて、物語として聴けるようになってきたらしく、物語の世界に入っていけるようになってきました。
そうなるともう楽しいです。(悲しいお話ばかりですが)

来年もまた9月にやる予定です。
来年は台風が来ないといいなと思います。

【演奏会】平家物語の世界その6壇浦の悲劇ー見るべきほどのことは見つー(2022/9/9)

年に一度、だいたいこの時期に行われる、「平家物語の世界」公演。今年は第6回でした。

私は第1回からお手伝いをしていますが、最初は受付だけでしたが、最近は舞台進行もしています。

今年は『平家物語』が来ている?初めてのお客さんが多かった!

発売開始から売れ行きはまぁまぁでしたが、
ある時期からぱたりと売れ行きがのびず、「目論見が外れたかな」と思いましたが、
結局は8月末からぎりぎりの期間まで、売れ続け、満席にはできなかったものの、
かなりの反響がありました。特にSNSでの反響と、昔は「〇〇新聞に載っても意味がない」と言われていた
某新聞の記事がそこそこ反響があり、最後の最後で、いい具合にチケットがはけ、
当日券分は残すことができる、というとてもうまい具合にいきました。

今年はアニメ『平家物語』や、映画『犬王』や、NHKでは人形劇『平家物語』の再放送。そして大河ドラマは源平の時代から始まるので、タイミングが良かったのかもしれません。

演奏がどんどんうまくなる3人

第1回から聴いているし、普段やっているジャンル(地歌、箏曲)も聴いたことがある人達なので、
実力があるのは知っていますが、平家語りとしては、やはり最初のころは「楽譜通り」「きっちりしっかり」
でしかなかったように思いますが、
前回(去年)くらいから、すごく情感がこもって、聴いていて涙が出てしまったりすることがあるくらいになってきました。

そうなってくると、舞台進行担当としては欲が出てきますね。
またチラシの制作からプログラムの制作までもいろいろわがままを言って、イメージ通りのものを作ってもらいました。

舞台も美しくできたと思います。(自画自賛)

写真はリハのもの。本番の様子などはまたホームページにあがると思いますので、
平家語り研究会のページをどうぞ。

 

【読書】平家物語 犬王の巻 古川日出男 著(河出文庫) から「平家物語の世界」へ

 

先日、映画「犬王」は観に行きました。

原作もあるので読んでみようと思いました。

今は映画「犬王」のカバーが上からかかっていて、2枚カバーがかかっています。

映画で、犬王と友魚(ともな)が「(俺たちの)平家」を語るたびに

成仏できない平氏の霊たちが成仏していく・・・というような表現を見て

つまり平家は滅んでいった平氏への鎮魂なのか。と思い、

ちょっと調べたら、『江戸川大学紀要』第三二号に

「『平家物語』における鎮魂の諸相」という論文があって(岡田大助 著)、

『平家物語』の主題については、古来、平家滅亡の悲哀、仏教の無常観等諸説ある。しかし今日、少なくともその主題の一つが鎮魂である点については、ほぼ定説となっている。( 『江戸川大学紀要』第三二号「『平家物語』における鎮魂の諸相」岡田大助 より引用)) 

とあり、やはり「鎮魂」なのか、と。

そのあとNHKの「100分de名著」のテキスト『平家物語』を読み(能楽師 安田登 著)、

『平家物語』と能は、戦いで命を落とした人や、この世に思いを残して死んでいった人の霊を鎮魂するという、共通の役割を持つ芸能でもあります。(NHKテキスト 100分de名著『平家物語』安田登 より引用)

とあって、やっぱり「鎮魂なのか!!」と。

「犬王」の映画を見るまでまったくそういう考えには至りませんでした。

私は能が苦手で(とはいえ結構見ている)、つい避けがちなこともあって、全然知らなかった。

『平家物語』自体は好きで、岩波文庫全4巻で読み、また大学の時のテキストもあり、

仕事で平家語り研究会とかかわるようになって、「覚一本」まで買ってしまうくらいには好きです。

でも、平家語り研究会の演奏会に関わって、薦田先生からお話を聞くまでは、

『平家物語』という本があって、それを琵琶法師が覚えて語っていたのだと思っていました。

が、逆で、琵琶法師が語っていた平家の話をまとめたものが『平家物語』なわけです。

なので、「犬王」みたいに「俺たちの平家」というものが琵琶法師それぞれにあったと思います。 

それを覚一が当道座としてひとつにまとめて、残したのだと思います。

そして江戸時代になって「平家正節(へいけまぶし)」が作られ、伝えてきたのだろうと。

ただ、伝えてきたのが盲僧なので、いろいろと違ったりはしたでしょう。

現在、正当な継承者として残っているのは今井勉師お一人だけですが、

平家語り研究会で若手が薦田先生と一緒に「平家正節」と、現行残っている曲から復刻を試み、

演奏会を年に1回開いている、ということです。

ここで宣伝は滅多にしませんが、9月9日に平家語り研究会の演奏会があります。

カンフェティ https://confetti-web.com/heike-katari/

私はどっぷりはまっておりまして、事務関係ほぼやっております。(経理は苦手なのでお任せして・・・)

大河ドラマも「鎌倉殿の13人」ですが、半分くらいは平家滅亡までの物語だったので、

よく知っている『平家物語』に出てくるお話でした。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式ホームページ

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/

またアニメ『平家物語』も人気です。

映画「犬王」はいろいろ考えさせられるきっかけを作ってくれた映画なので、お勧めしたいです。

アニメ「平家物語」公式ホームページ

https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/

映画「犬王」公式ホームページ

https://inuoh-anime.com/

【演奏会】音楽でつづる文学3 平家物語 屋島(2022/6/24 紀尾井小ホール)

 昼間はヴィオラを聴いて、夜は邦楽を聴きに行ってきました。

「那須与一」はとても有名です。

菊央さんは「平家」でのつながりがあり、平家の演奏はよく伺っていたので、まぁいろいろ

あったようですが、私にはそんなにわかりませんでした。大丈夫。

今回は幸若舞保存会の皆さんが13年ぶりの東京公演とのことでした。

よくあれだけの詞章を覚えられるものだと思いました。

30代もいるとのことで、どこの民俗芸能も後継者不足が悩みの種ですが、30代、40代、50代がいるというのはすごいことだと思います。普通は50代から80代って感じですからね。

最後に地歌「八島」だったのですが(菊央雄司さん、岡村慎太郎さん)、

箏の手付が菊県琴松のもので、プログラムにも「斬新な手付」とありましたが

まさに斬新。もはや地歌の域を超えている感じでした。

そして菊央さんの歌が、〽また修羅道の鬨の声 からなんだか気持ちがはいってしまったのかなんなのか、

とても地歌とは思えぬ迫力。面白かったです。

菊央さんは地歌もやはりいいですね。声がいいというのは天性のものですから。活かしてこれからも地歌頑張っていただきたいです。

関係ないですが、ここのパンを取り寄せてみたらとても美味しかった。

お試しセットみたいので頼んだらかなりの量あって冷凍庫に入らないかと思いましたが

なんとか入りました。これで朝食に美味しいパンがしばらく食べられる。

焼きたてを急速冷凍 Pan&(パンド)

【映画】犬王(2022/5/28公開)

「犬王」観てきました。

TVアニメ「平家物語」のチームが作った映画のようです。
うーん。思ってたのと違う、というのか、
確かに平家滅亡のあとの壇ノ浦はあんなかんじだったろうし、南北朝に入って、三種の神器も欲しかったろうし、平家一族の怨念みたいなのは渦巻いていると考えられたと思う。
それに、今は残ってないけどあったであろう芸能とか、傾奇者みたいな人はいただろうと思います。
ただあの時代の琵琶法師が持ってた撥が薩摩のだった…。
まぁ、音を薩摩琵琶でやるのは仕方ないと思うのでいいのですが…。
先生が映画をご覧になったら、色々聞いてみよう。
でも当道座、って覚一がきっかけなのね。知らなかった。
映画「犬王」公式