【読書】帰れない村 福島県浪江町「DASH村の10年」 三浦英之(集英社)
これはツライ話でした。
でも今こそ読んでおくべきなのではないでしょうか。
いや、今こそというのはおかしいかもしれない。
ずっと読みつがれていいのではないでしょうか。
私は都会に馴染めない、でもド田舎のプライバシーも何もない感じは耐えられないという、中途半端な人間。
でも都会よりは田舎のほうがいい。人らしい生活ができるような気がするし、体にもいい気がするし、何よりもストレスが少ない気がする。
なのに私の趣味も仕事も、都心にしかない。だから都心に出られるギリギリのところで生活している。
都心生まれの人は「ふるさと」という感覚はあるのだろうか。
私は一番長く住んでいた場所を「ふるさと」とは思わない。愛着もない。小中の頃の友達はほとんど出ていってていないし、今住んでいるところが、私の人生の中で一番充実していた高校時代の場所なので、ここに住みたかったから住んでる。
福島県浪江町の方たちはみんな「ふるさと」と思っていたのではないかなぁ。
そこにもう帰れないと言われるのはどんな気持ちだろうか。
想像もつかない。
私の上司も結局生まれ故郷に帰ってしまったけど(仕事のときは出てくる)、そういうもんじゃないかな。
私には何もないな。
でも宮城県人の血が流れてるから、東北への思いは強い。
日本人は「ふるさと」をもたなくなってだめになったのではないかな。
ふるさとに限らないか、日本人としてのアイデンティティがなくなっている気がする。
しかしこの本のタイトルの付け方は明らかに狙っているとしか思えず、ちょっとどうかと思った。きちんとした取材なのでこういう媚びたタイトルはよくないと思う。なんとなく出版社の提案なのではという気もするが。
帰れない村 福島県浪江町「DASH村の10年」

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