【演奏会】第28回藤井泰和地歌演奏会(2022/11/4 紀尾井小ホール)
昨日は第28回藤井泰和地歌演奏会でした。阿部先生27回忌、久仁江先生17回忌追福。もうそんなに経ったかと思いました。
泰和先生の舞台は最近、私が舞台進行をやっております。
配置や照明の具合、音響はマイクないから、演奏者の位置などでいい音がするところを探します。
泰和先生の会には、服部御大がいてくれるので、私が迷っても服部さんが「ちょっと違う」「大丈夫」とか言ってくれるので、安心できます。
そして服部さんとは狙いたい方向性が似ているらしく、思うことは同じだったので決めるのは割と早かったです。
演奏は素晴らしかった!
声もよく出ていたし、音も本番、良かったと。
本番は私は袖でしか聴けないですが、袖でも良かったと思うから、大丈夫だったと思う!
そして立派だった。
銀明会の皆さんも本当によく演奏されてました。
「筆の跡」はリハでは面白いことがありましたが(笑)、まぁ置いておいて、
やはり兄妹だなぁと。こんなにぴったり合う三絃合奏はないのではないかと思いました。
舞台を降りてこられた時、油断して泣きそうになりました。
「四季の眺」は山勢麻衣子さんが山田の方とは思えないお箏の音で、意外でした。
いわゆる山田の曲じゃないからかもですが、柔らかいいい音でした。
あと山田の方は黒の着物がほとんどなので、色の着物を着てらっしゃるのが、いつもと雰囲気が違って、
失礼ながら「かわいい」と思ってました。
しかし松浦検校の転調はいつ聴いても馴染まないわー。作曲された当時は面白かったのかもしれませんけどね。
不思議な曲です。歌詞はいいんですよね。
泰和先生は松浦ものでCDも出しているし、お好きなのかしら。
「磯千鳥」は個人的に思い出の曲でもあり、
また大好きな菊岡検校・八重崎検校コンビの作曲なので気持ちよかったです。
歌詞は「楫枕」を書いた人と同じと伝えられているとのこと。すごく納得。
露秋さんがこのために胡弓の手付をしたとのことで、
菊岡・八重崎の名曲に胡弓手付はプレッシャーだったのではと思いました。
米川文清師のお箏は安定の音。
「残月」は総勢21名の三絃。替手は泰和先生おひとり。本手20人従えての大合奏。
でもちゃんと聞こえてましたよ。袖で聞こえてるんだから、客席も大丈夫だったでしょう。
舞台開いた時におおーってなったのではないでしょうか。
泰和先生はご自分で「緊張するから」とおっしゃってましたが、
昨日はとってもリラックスしているように見えました、そう見せてただけかもしれませんけど、でも本当にいい音と声で、私は満足。
富樫教子先生が4月に亡くなったのを、最近まで知らず、
妙子先生がご出演だったので「お久しぶりです」とご挨拶はしたのですが、
富樫先生にはお世話になりましたし、なんか話題にすると公演本番なのに湿っぽくなってしまいそうだったので、
何も言えませんでした。
阿部桂子先生、藤井久仁江先生、富樫教子先生を偲びつつ。