【コンサート】マリオ・ブルネロのバッハ無伴奏リサイタル(2022/10/28 紀尾井ホール)

紀尾井小ホールはもはや「ホーム」と言ってもいいくらい、仕事で来ているので、お客さんとしてホールに入るのは新鮮です。
しかも小ホールではなく下の大きい方のホール。
四谷から歩いてきて、何も考えずに楽屋口から入ろうとしてしまいました。危ない危ない。

久々にバッハ漬け。家でもバッハを聴いてることは多いのだけれど、チェロはあまり聴かないかもしれません。

マリオ・ブルネロはチェロと、チェロ・ピッコロというチェロよりちょっと小さい楽器を今はお気に入りだそうで、今回もチェロで「無伴奏チェロ組曲」を。チェロ・ピッコロで「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ」を演奏しました。

チェロより小さい、と言っても、ほとんど変わりなく見えました。
しかしブルネロが使っていたチェロが1600年代初頭に製作された楽器ということだったので、普通のチェロより少し小ぶりだと思うから、そう見えたのかもしれません。

チェロ・ピッコロは1600~1610年ごろ製作された楽器の再現複製の楽器ということで、それは見た目にも明らかで、チェロの年月を重ねた色合いや音色と、チェロ・ピッコロのまだ若い感じとはとても違いがあり、聴いていて面白かったです。

チェロ・ピッコロはヴァイオリンより1オクターブ下に調弦されているとのことでした。
ヴィオラはヴァイオリンの5度下なので、さらに下ですね。因みにチェロはヴィオラの1オクターブ下。

ブルネロが使っていたチェロは低音にとても深みのあるいい音でした。

しかし、何が理由か不明ですが、音程が甘かった気がします。古い楽器だから緩むのかな。
ちょっと調弦が甘くなる感じがありました。

 

日本の箏などは古くなったら、スッカスカな音になってしまい、演奏会には全然向かない楽器になってしまうのですが、西洋楽器は1600年代の楽器がまだ現役で使えるというのがすごいです。三味線だって、1600年から使っていたら棹が勘べりしまくって削るから、太棹だったのに細棹くらいになってしまうでしょうね。そしたらもう違う楽器になってしまう。素材の問題かな。

しかし、バッハに浸かって幸せな時間を過ごしました。3時間でしたが、全然長く感じませんでした。