【演奏会】女流義太夫演奏会9月公演 母をたずねて(2021年9月20日)
本日は女流義太夫演奏会9月公演 母をたずねて
と題し、『傾城阿波の鳴門』より「順礼歌の段」と、『恋女房染分手綱』より「道中双六の段」「重の井子別れの段」でした。
お天気にも恵まれ、気持ちが良かったです。が、私たちは録音担当なので、舞台もほとんど見えないところから、ヘッドフォンで確認するしかありません。
順礼歌の段は聞くたびに「ううっ、おつるちゃん可愛そう」と思います。西国巡礼もしていた私は(満願してます)、あんなところを昔一人で女の子が歩いて巡礼していたのかと思うと、辛いとしか言えません。京之助は声が高めなので、おつるちゃんにぴったりでした。越孝さんのお弓もお母さんらしくてよかったです。
この演目はわかりやすくて、あんまり重く思われてない感じがしますがよくできていると思います。見たら近松半二でしたね。さすが半ニ。
道中双六の段はその後の重の井子別れのための前提にしておきたい話、みたいな感じに聞こえました。
重の井子別れは三吉が「母でも子でもないならば、病もうと死のうといらぬお構い」のセリフが、悲しいのだけれどちょっと卑屈になりすぎてる感じがしてしまう。しかも「母様覚えていさっしゃれ」って捨て台詞ですよね。妙なリアルさは感じますが。最後の鈴鹿馬子唄が聴かせどころですね。
もうバッチリ、時間通りに進んだことが裏方としては気持ちよかったですね。
押しも巻きもない。完璧。(笑)