【CD】西潟昭子-三絃 可惜夜に  TAsounds

西潟昭子先生には、私が三絃をはじめて5年目から、本当にお世話になりました。現代三味線の先生は昭子先生だと思っています。(先生はどう思ってらっしゃるか…一番出来の悪い生徒だったから…)

その後、就職のお世話までしていただきました。今はフリーになってしまったけれど、今の私があるのは昭子先生との出会いがなければなかったことは確実です。
昭子先生は「現代三味線といえば西潟昭子!」というくらい第一人者でいらして、はじめてお会いする前から、CDも聴いていたくらいです。
現代曲ばかりで評価されていたイメージですが、何度か古典も聴かせて頂いたことはあって、昭子先生の古典は好きでした。
この度古典のCDを出されたとのことで、早速聴かせて頂きました。
個人的に好きな曲ばかり。しかも何度も聴いてきた曲ばかり(「鐘ヶ岬」は「新娘道成寺」として私も弾いたこともある)で、歌詞もほぼ覚えてる。私は生田の出なのに仕事は何故か山田が多いという不思議。
昭子先生の声はいいなぁ。渋い。古典ぽい(表現力がなくて申し訳ありません)。
先代の鈴慕先生の尺八も懐かしい!
「熊野」はお二人でやるのは大変だったろうなと思いました。設楽さんはプレッシャーだったのでは。2013年の録音ですものね、今だったらもっといいかもと思います。
「岡康砧」は、なぜこの曲は生田に移されていないのだろうとずっと思われていた曲ですが、20年くらい前だったか、どこに行っても「岡康砧」というような時期があって、その頃かな?縦譜が書かれて、今は生田の人もやることがありますね。録音は2002年なのでちょうどその頃かと。箏が替手一人なので、ところどころ物足りなさを感じてしまったりするけれど、(ここだけ入れ手してほしい、と思ったりするところがあった)面白い演奏なのでは。
何より、先代鈴慕先生と昭子先生と共演で、山田の岡康を生田のさっちゃんが弾いてる事自体がすごいと思います。いい経験でしたね。
全体に元々CDにしようと思って録音していたわけではないと思われ、バランス等々大変なこともあったと思いますが、さすがは服部大先生。むしろ生っぽくていい。というところもあります。
2021年10月18日に「可惜夜(あたらよ)に三絃を弾く」という演奏会が紀尾井小ホールで開催予定で、CDに入っている「さらし」「岡康砧」が演奏されます。
「さらし」は三代鈴慕が尺八なのかな?
メンバーは違いますが楽しみにしている公演です。