【本】 2021年5月16日 「死にたくもないが、生きたくもない」小浜逸郎
「死にたくもないが、生きたくもない。」小浜逸郎著 読了。
タイトルがまさに私の心情そのままだったので図書館で借りたのだが、
私の心情とは違う意味だった。
「人はどうやって老いていくのか」みたいな本だった。これはこれで読んでよかった。
老いを受け入れろ、アンチエイジングなんてみっともない、人間誰でも年を取るんだから。
という意見には大賛同である。また「少子高齢化は止められない」の項にある「(少子高齢化は)自由恋愛の当然の帰結」「男女共同参画のカン違い」にも大いに賛同する。
「長生きは素晴らしいという偽善」というのもまったくそのとおりと思う。
序章は「あと20年も生きなくてはならない」で「命長ければ恥多し」(吉田兼好)
という有名な徒然草の一文を引用している。
この本は2006年初版。著者は当時59歳で、もうすぐ60歳という時だったようだ。
すでにそれから15年経って、今はもっと「老い」に対しておかしなことになっていると私は思う。
世の中、元気な、というか頑張って元気でいる老人が多いから、年金の支給を遅くしたり、働ける人には75歳まで働けるようにしようとかそんな動き。
女性も活躍できるように働ける環境をと言って、私の感覚だとまぁ、30くらいからが一番仕事が楽しくなってくる時期じゃないの?そりゃ結婚も遅くなるし、そうすりゃ子供も産まなくなるよ。
社会がそうなってるのは理解するし、女性大活躍大いに結構。
でも社会の進化(?)のスピードに、人類の進化はついていってない。
女性も社会に出てバリバリ働く世の中になったからって、出産適齢期は遅くはならない。閉経だって遅くはならない。体力は40過ぎたらもうダダ下がりだし。
男性も出産できるように進化もしないし。
私は75歳まで働きたいなんてこれっぽっちも思わない。働かなくていいなら今すぐやめたい。
あと、長生きを目標にしたくない。独り身で、周りに迷惑を掛けるから、できるだけ歩けるようにはしておこうとか、そういう努力はするけど。
若く見られたいなんて思ったこともないし、だいたい、なんで若く見られたいのかがわからない。実年齢なりでいいじゃないか、白髪やシワやシミが増えたって自然のことなんだから。
「いい加減にしろ、全共闘オヤジ」の項にも笑った。
今の日本は高度成長期の再来を信仰して動いてる感じがして気持ち悪いんだけど、(東京オリンピック→大阪万博→札幌冬季オリンピック)アホかと思う。
全共闘オヤジにも同じものを感じる。
私の思ってた内容とは全然違うものだったけど、面白い本だったのでご紹介でした。